小野 健 氏

 

 福島県いわき市出身の小野健氏が1956年4月に電気化学工業(株)(現 (株)デンカ)に採用され、青海工場に赴任した。職場は石灰鉱山の黒姫山にて発破関係の部署に従事していた。機会あるごとに黒姫山の山頂から目前に広がる白馬岳から日本海に至る稜線の山並みに感動を覚え登山道の伐開の夢を抱いた。1961年登山道開拓を目指し会員7名でさわがに山岳会を結成し1966年より栂海新道の伐開作業を着手した。

 1968年栂海新道の伐開作業を始め3年目に富山営林署から突然呼び出しを受け赴くと、国有林の部分的越境と無許可伐開を厳しく批判され「やぶ刈り騒動」となってしまった。書類送検まで行きかかったが、担当官に会あるごとにアルプスと海をつなぐ登山道の存在価値を語っていたところ徐々に共感され誤伐による補償金処理となり一件落着となった。

開通式の様子

 このような苦節を乗り越え1971年夏に「継続は成果なり」の言葉通り全線開通を迎えた。
 その後、登山道の維持整備管理をさわがに山岳会・ベニズアイ山岳会・カタクリクラブ・共栄電工(株)・ドンガラ山の会・栂海山遊同人・地元行政の方々のお力添えにより維持されてきた。
 小野健氏が生前、この栂海新道がいつの日か廃道に期したとき半世紀以上にわたて登山道・山小屋の開設整備の情熱と労力を注いでくれた大勢の人たちの汗の結晶はどう消化されてしまうのだろうか。また、日本海に飛び込んだあの感動を引き継いでくれる次世代の会が誕生してくれることを切に夢みたいとお話しされておりました。
 今後においては、その意思を引き継ぐものとして皆様方のご協力ご支援を頂きながら、微力ではありますが栂海(つがみ)岳友会が引き継いでいきたいと思います。

栂海岳友会:設立2020年4月1日